福山市新市町の歴史
福山市として新たにスタートした町、新市。
新市町(しんいちちょう)は、かつて広島県芦品郡新市町として存在した町です。
2003年2月3日に沼隈郡内海町とともに、隣接する福山市に編入され、“広島県 福山市 新市町”となりました。
1975年2月1日に駅家町が福山市に、協和村が府中市にそれぞれ編入されてからは芦品郡に属する唯一の自治体となっており、新市町の福山市への編入をもって、芦品郡は1898年10月1日の芦田・品治両郡の統合による成立以来、104年4ヶ月の歴史を閉じ、福山市の町として新たなスタートをきりました。
農業では下記で紹介する常金丸の菊の花はもちろん、土地の気候(昼間にじわーっと地温が上昇、夜間も地温が下がりにくい)を生かしたグリーンアスパラガスの産地でもあります。ハウス栽培がほとんどで、柔らかで食べやすく、豊富な水分と甘味をもったアスパラガスは福山市場を中心に、県内、奈良市場でも出荷され品質の高さに定評があります。
古くから文化が栄えた町。
新市町は古くから文化が栄えた町でもあります。
古くは尾市一号古墳(7世紀後半)をはじめとした「終末期古墳」と呼ばれる古墳。備後国一の宮と称され地元では「一宮(いっきゅう)さん」の名で知られる吉備津神社。
毎年7月中旬に行われる祇園祭りの「けんか神輿」が見もので通称「天王さん」と呼ばれる素盞鳴(スサノオ)神社など、数多くの文化財や遺跡などが点在しています。
また新市は、日本三大絣(かすり)の一つである「備後絣」の発祥地でもあり、新市町旧戸手村では江戸時代に畑作の綿が多く栽培され、現在の備後絣の発展の礎となりました。現在ではウール絣や正絹紬絣も生産され、着物だけにとどまらず洋服地としてもその素朴な美しさが愛されています。
金丸木工がある「新市町常金丸」
家具と菊の町、常金丸。江戸時代からの伝統家具として有名な「府中家具」。現在でも府中タンスとして全国的にもその名を知られ、桐の高級家具などの家具作りが盛んな広島県南東部に位置する内陸工業都市 府中市。金丸木工のある常金丸は、この府中市に隣接し、福山市新市町の北部に位置する地区の名前です。
常金丸が属する福山市新市町(旧芦品郡新市町)は、備後絣の伝統を今に受け継ぎ繊維産業が盛んな土地。本社をここに置く全国的なユニフォームメーカーなども多い町ですが、常金丸地区はその立地条件もあり、府中家具との歴史的な深いつながりがあります。
常金丸地区は、隣接する府中市同様に木工が盛んで、ここには伝統に裏打ちされた家具作りをはじめとした様々な木工技術が、熟練職人の手から新たな職人の元へと伝えられ、今に生きています。
また、常金丸地区は豊かな自然に恵まれた山間の町で、木工の他にも菊の栽培が盛んな土地で、菊は新市町の町花。
金丸の精興園が開発する切り花菊は国内シェアの約6割を占め、海外市場もリードしています。